保険施術

●接骨院で保険が適用される症状

・骨折

骨が折れたり、ヒビが入ったりしたケガです。

・脱臼

関節を構成する骨が、本来の位置から外れてしまうケガです。

・捻挫

関節をひねったり、伸ばしたりして靭帯や関節包などを痛めたケガです。

・打撲

身体を強くぶつけて、内出血や腫れが起きたケガです。

・挫傷

筋線維を断裂したケガです。
一般的には、肉離れと呼ばれています。

※骨折と脱臼においては、初回の応急処置に限り保険適用となります。
2回目以降の施術には、医師の同意が必要です。

●保険適用とならない症状例

・肩こり
・慢性的な腰痛
・仕事の疲れ
・ケガの後遺症
・身体の違和感
など

接骨院で保険が取扱えるのは「急性の外傷（ケガ）」に限られています。
痛めた原因や日時がはっきりとしている「ぎっくり腰」「寝違え」などであれば、腰部捻挫や頸部捻挫として保険適用となる可能性があります。

●保険施術と自由施術の違いについて

・保険施術

骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷に対する、保険を使った施術です。
折れた骨や外れた関節を本来の位置に修復する「整復」、ギプスや包帯を巻くことで患部の安静を図る「固定」、電気療法、手技療法などによる「後療法」がメインとなります。

接骨院において保険を利用する場合、施術内容や日付、金額などが記載された書類（柔道整復施術療養費支給申請書）に署名をしていただく必要があります。
費用の一部を保険が負担してくれるため、施術費を安く抑えられることが保険施術のメリットに挙げられます。

・自由施術

患者様の全額自己負担で行われる施術です。
お悩みにあわせて、手技療法や鍼灸（美容鍼）、矯正などを行います。

保険を使わないため、受けられる施術内容に制限がないことが自由施術の大きなメリットとなります。
自由施術を利用すれば、肩こりや腰痛、冷え、むくみといった保険適用外の症状の改善も目指すことができます。

交通事故により発生した、むちうち（首の捻挫）や打撲、骨折といったケガには、健康保険ではなく自賠責保険の適用となる場合があります。

●自賠責保険とは

自賠責保険は「自動車損害賠償責任保険」の略です。
自動車や原付、バイクの所有者には加入が義務付けられている、交通事故被害者の救済を目的とした保険になります。

交通事故が原因で負傷した際は、基本的に加害者（相手方）が加入する自賠責保険から施術や治療の費用が支払われる仕組みとなっております。

●自賠責保険が適用される事故内容

たとえば次のような状況にて、自賠責保険が適用されます。

・赤信号で停車中、後ろから追突された衝撃で首を痛めた
・交差点を直進中、左折してきた車が衝突して腕を打撲した
・横断歩道を歩行中にバイクにひかれ、足を骨折した
など

事故被害者を救済するための保険であるため、加害者の負傷に自賠責保険は利用できません。

●自賠責保険で補償される項目

自賠責保険が適用されると、整復や固定、後療法（手技療法、電気療法）など、接骨院で施術を受けた際の窓口金が基本的に0円となります。
また、そのほかにも、次のような項目が補償される場合があります。

・医療機関における検査、手術、入院、投薬などにかかった費用
・入院雑費（寝具や衣類、洗面具などの購入にかかる費用）
・診断書など保険請求時に必要な書類の発行手数料
・通院の際にかかった交通費
・仕事ができなかった場合の休業補償
など

また、通院や入院日数にあわせて慰謝料も支払われます。

●自賠責保険の限度額、期限

慰謝料や治療費をすべて含めて「120万円」が限度額となります。
むちうちや打撲など、接骨院で取り扱うケガの場合は、限度額内でおさまるケースがほとんどです。

特定の期限は設けられておらず、症状が完治するかもしくは後遺障害（これ以上施術を続けても回復が望めない状態）が認定されるまで、自賠責保険はご利用になれます。

仕事がきっかけとなり発生したケガには、労災保険の適用となる場合があります。

●労災保険とは

労災保険は「労働者災害補償保険」の略です。
労働者の業務中、もしくは通勤途中のケガや病気に対して、必要な保険給付を行う制度になります。
正社員やパート、アルバイト、派遣、日雇いなど雇用形態を問わず、すべての従業員が労災保険を利用できます。

一口に労災保険といっても、ケガが起きた状況により「業務災害」と「通勤災害」の2つの種類に分けられています。

●業務災害

業務上の負傷のことを業務災害といいます。
例えば、次のような状況例が挙げられます。

・勤務時間中、足場から転落して腕を骨折した
・勤務時間中、濡れた床に足を滑らせ転倒し、膝を打撲した
・勤務時間中、重たい資料を持ち上げようとして、背中を痛めた
など

業務災害が認められるには「就業時間中であること」「業務が原因となること」の2つの条件を満たす必要があります。
そのため「昼休憩中や就業時間の前後で発生したケガ」「仕事とは関係のない私用によるケガ」には、業務災害が適用されない可能性があります。

●通勤災害とは

通勤災害は、通勤途中に発生したケガのことをいいます。
例えば、次のような状況例が挙げられます。

・自宅から会社に向かっている際に転倒して骨折した
・営業所の移動中に交通事故に遭った
・職場からの帰宅中、駅の階段から転落して捻挫した

など
「自宅と職場の往復」「就業の場所から別の就業の場所への移動」などを合理的な方法、経路で行うことを一般的に通勤と呼んでいます。

通勤中の負傷であれば、すべて通勤災害が認められるわけではありません。
次のような、仕事とは関係のないルートを辿った際のケガは、労災の適用外となる可能性があります。

・仕事終わり、飲み会からの帰りに転倒した
・出勤中、私物を取りに帰る途中に事故にあった
・帰宅中にお酒を飲み、足がふらつき転倒した
など